銀座というと、高級ファッションやアクセサリー、ジュエリー店の多く立ち並ぶイメージがありますが、それとは真逆のファストファッション店も多く出店しています。
ファストファッションというのは、食べ物における「ファストフード」をもじって誕生した言葉で、安価で手軽に使うことができるファッションのことをまとめて呼ぶ言葉です。
具体的にはユニクロやその系列のgu、GAPやZARAといった全国各地に小売店を展開しているカジュアルファッションのお店のことをいいます。
銀座にそれらファストファッション店が登場したのは2003年4月からのことで、スペインに本店を持つ「ZARA」が出店してからというもの、2005年のユニクロ、2008年のH&M、2009年のアバクロンビー&フィッチ、2011年のGAPというふうに次々と銀座に出店が続いていきました。
ファストファッションが日本において大きな地位を得るようになったのは、言うまでもなく大手企業のユニクロの影響によるものです。
ユニクロはそれまでどちらかといえば郊外に小店舗をかまえる形で出店をしてきましたが、1998年に渋谷に大型店を導入して成功させたことをきっかけに、以後他の大都市に積極的に大店舗を拡大して作っていきました。
ファストファッションは1品あたりの価格が高級ファッションに比べて安いため、かなりの数を販売できなければ土地代の高い場所での運営費をまかなうことができません。
それまで銀座に出店するのはブランドショップや高級品を取り扱うお店ばかりだったのも、そのような土地代やテナントの賃貸料の高さが影響していたと言われています。
にもかかわらずここ10年位内に急激に銀座にファストファッション店が増えてきたということは、土地や賃貸料が下落して落ち着いたこととともに、ファストファッションを利用する人の数が全体的に増えたためでしょう。
銀座においてグローバル系のファストファッションが数多く出店しているのにはもうひとつ理由があります。
それは、銀座という一等地に出店することにより企業イメージを大きく向上させることができるということと、銀座のファッションの一部となることで、より世間的な知名度を高めることができるためです。
今ではそれらファストファッションを購入するためにわざわざ銀座を選んで出かける人もいるようになりました。
今後もこの動きはよりいっそう活発化していくのではないかと予想されています。